決定会合の雑感
相変わらず無風といわれれば無風。
でも、いろいろ延長されている辺り、現状維持ラインをしっかりアナウンスして、
緩和効果を出そうとしているような気はします。
個人的には「企業金融支援特別オペレーション」の強化を打ち出したのには驚きました。
というか、誤解を恐れずにこの施策を解釈すると、「いくらでも緩和したるけど、必ずレシートもってこい」ってことですか(藁)
何げに白川執行部は直球でぐいぐい押してきますね。
それに比べれば、社債オペなんておまけみたいなもんです。
ドラめもんさんも2月19日付のコメントで話題にされてましたが、社債とCPはマーケットが全然違う世界というのを忘れて、単に「CPは短期調達」「社債は長期調達」と思っていたら、読み間違えると思います。>エコノミストな方々
#まあ、その違いも分かった上であえて「やってみせている」んでしょう、日銀執行部としては。
その他、白川総裁の会見でもいくつか刺激的なコメントが出ていたようですが、その辺りはまた気が向いたらコメントしようかな、ということで。
少なくとも私自身は、断片的な報道しか目にしていないので、前後の文脈を追えていない現時点においては評価のしようがない、と思っています。
#個人的に「こうだろうなあ」とか想像することは出来るけどね。
ま、正直、今の相場はマーケットが当局にいろいろ望み過ぎの様な気がします。
ポジションが溜まったら、すぐに「日銀のオペが」とか「財務省のバイバックが」とか言い出すひとが増えました。
#それだけ余裕がない、ということかもしれないけど(汗)
ちょっと脱線(笑)
というか、そもそもの話として実務的な意味においてインフレターゲティングは機能するのかね。
確か2004年頃、東京短資のレポートによると、BOEがインフレターゲティングの浸透度をアンケートしたら
英国民の20%程度だった、という記憶がある。
その後、CPIは上に抜けてレポートを何度も書いたあげく、今度は下に抜けてきて「量的緩和か?」となっているのは
ご存じの通り。これって成功って言えるのか?
#いやまあ、BOEだからあの程度で済んだのだ、という人もいるかもしれないけど。
いや、何が言いたいのかというと、
「インフレターゲティングは原油高や為替変動といった外部ショックに対する抵抗力は低いのではないか」とか
「インフレターゲティングに対する国民の認知はどの程度必要なのか」という疑問を最近持つように
なったんですけど、実際のところどうだろね、ということであり。
この辺りって、もっともっと突き詰めて考えてみると金融政策自体の有効性にも係ってくる辺りであったり。
例えば、昨年の原油高の原因をどこに求めるのか。これを日本や米国の金融緩和に求めるとしたら、
両国は金融緩和によって即物価が上がるのではなく、原油高になって跳ね返ってきたということであり、
これって金融政策が物価をコントロール出来ない、ということを意味しないのか、とかね。