ターニングポイント

ということで、年末らしくこの1年を回顧してみる。




考えて見れば、昨年の今ごろはみんな「出口政策」論なんか考えていたと思うのですよ。
それほどFRBへの期待感は大きかったし、バーナンキが米議会で叩かれても、実務家や論壇は好意的でありました。




まだこの雰囲気自体は変わっていません。しかし、この1年でFRBを取り巻く環境は大きく変わったように感じます。




個人的に注目しているのが、外的ショックが全く無くてもQE2に追い込まれてしまったことです。私は以前から「米国は日本の失われた10年を繰り返す」とは思っていましたが、その為には何らかの外的ショックが必要だと思っていました。
しかし実際にはそうなる前にQE2が発動されてしまいました。「想定よりも早い。さすがバーナンキ」という見方もできなくはないですが、やはりこの1年を通じて景気も物価も彼らの想定以上に持ち上がってくれなかったことの焦りが出ていると思います。




かといって量的緩和自体が実体経済に与える影響って極めて限定的であるのはこの1年でさんざん経験したこと。
極めて厳しい状況です。ドル安が進まない限り、このままでは来年の今ごろ、バーナンキ叩きが活発化しているいることが予想されます。
#2012年は大統領選挙ですしね。




多分なんですけど、2010年は大きなターニングポイントになったと思います。
米国が日本を追いかける第一歩を明確に踏み出した年として覚えられてしまうような気がして仕方ありません。
#来年ドルが安くなれば踏みとどまれるとは思うのですが。。。