財務省支配?

今週話題になった、日本郵政の社長交代ネタ。
ここでこのひとをもってきますか、と話題になったのは事実。
ただ、今回少し気になったのは、これで「日本郵政財務省が支配し、日本郵政国債をじゃんじゃん買うから後退する」みたいな論調の多かったこと。


・・・あのう、すでに日本郵政国債のビッグプレーヤーです。
大量の預金を抱えるが、融資に回すことは出来ず、外貨建て資産での運用にも限界があるので、どうしても国債を買わなきゃならない。
その意味で一番のお客様です。
そもそも融資部門を有しているメガバンクでさえ、国債を大量に買わないとやっていけないのに、日本郵政が買わない選択肢なんてあるわけない。
財務省がどうこうしなくても全くもって問題ない。日本郵政の資金なんて放っておいてもこっちに来てくれる。




財務省が頭を悩ませていることがあるとすれば、こうして各銀行が既にかなり国債を購入している現在の状況において、
国債をさらに増発したときに消化できる余力がどの程度残っているか、というマクロ的な話。




そりゃ、先々に日本郵政が完全民営化して、海外向け投資でも本格化させたらどうなるかわかりませんが、それだって無理がある話。
だってこれだけ低金利なのに、メガバンクがB/Sに大きな影響を与えるほど海外向け投資に特化したなんて話、聞かないでしょ。




要するに、B/S的には財投改革が成立した時点で決まっているのだよ。
郵貯簡保も、いまじゃ銀行・生保として運用を考えざるを得ない。
その意味では誰がトップなのかはそう問題ではないのだよ。




(補足)
一応、補足しておくと、「ユニバーサルサービス」という観点からどうあるべきか、という問題とか、
「そもそも『天下り』はやめるんちゃうんか」という突っ込みは別の話。
そっち方向はそれなりに問題ありだと思う。
ここでいいたいのは「別に財務省側の視点から見てみれば、日本郵政なんてわざわざ支配しにいくこともなく、B/S的には既に十分貰ってます」っていうことだけ。
#ま、そこら辺は、ばくちうちなみなさまには常識以前でございましょうが。