素直に国債引き受けの是非を考えるべきかと

政府紙幣ネタがネット界隈では結構話題が続いているようで。
個人的にはあまりこの手の話題にはついていきたくないなー、というか、この手のネタをやるのは市場参加者としてはあまりにあほらしくてつきあいたくない、と思っていたら、深尾先生が決定版を日経新聞に書いてくれた。
ま、それでいいか。




まあ、正直政府紙幣を出されると、金融業界は涙目だろうなあ。
新札受け入れのための機器改修コストは誰も面倒見てくれないからねえ。
#でもこれやっとかないと偽造対策にならないから手を抜くことは出来ない。


しかもかつての2000円札のように流通しないのは明らかなので、一時的に政府紙幣回収で現場はてんてこ舞いだろう。
配った紙幣は日銀の倉庫で眠ることになり、さらに同額の日銀券発行を余儀なくされそうで、エコな観点からは問題ではある(笑)




まあ、そんな冗談はともかく、実質的なマクロ経済効果は日銀による国債引き受けとほぼ同じと考えられるので、素直に国債引き受けを考えた方がきれいだと思う。
その方が実務的には楽だし。




ただ、気になるのは、国債引き受けするのはいいとしてどうやって歯止めをかけるのか、ということ。
みんな忘れてないと思うけど、あの悪名高い道路特定財源だって、30年以上「特例」のまま続いたんだし、
赤字国債の発行だって本当は「特例」であって、本来の財政法上は認められていないのに、1975年以降、
ほぼ毎年公債特例法を通して毎年発行が続いてきた、という事実。
ついでにいえば、これまた悪名高い97年の消費税率アップは94年秋からこのスケジュールで決まっていたことなのに、結果的には橋本内閣の大失敗として記憶されてしまっていること。


つまり何が言いたいのかというと、何故かこの国の政治家は「歯止め」を掛けることが出来ないみたいだし、
事前に切ったスケジュールも経済情勢次第でひっくり返ってしまうということなのですよ。
その他、CPIとか経済指標をターゲットにして自動停止、という考え方もあるけど、そもそも国会の議決はオールマイティ。
歯止めなんて簡単にひっくり返るよね。


そういった過去は世界各国の歴史上に散見することが出来る。
その上に現行の中央銀行制度は存在するんだ。実務上のハードルはかなり高いと見なければならない。




以上、政府紙幣に関する雑感でした。
#というか、深尾先生のお話を避けつつ書こうとしたらこうなった(汗)