「長期保有」と「分散投資」

えー、いつもトラックバックを頂いている「お金について考えたこと」さんところの「国際分散投資の威力」に対して少し補足してみる。


個人的には「株は長期保有で」と識者がいう裏には「個人投資家は分析にコストを掛けていられないでしょ」という考え方が隠れていると思います。例えばある銘柄の分析をするために会社を訪問して経営陣にヒアリングをするのは個人投資家にとっては難しいでしょうし、また普段からマーケットを十分に分析していないと「この株は3ヵ月後には○○円程度辺りになりそうだ」という予測することは出来ても「明日はXX円程度になる」と予測することは意外と難しいものです。
つまり分析するための時間やスキルに限界がある個人投資家にとっては決め打ち的な長期戦略も有効であると考えています。
要するにBestなタイミングでの投資行動を行うことが難しいのであれば、その部分に関しては多少のロスもコストとして許容する、という考え方です。
だから普通のセオリーとしては「銘柄選択は長期保有」「アセットアロケーション分散投資」であるのが正しい姿だと思います。
逆に機関投資家デイトレーダーのように分析のための時間やスキルを十分に有している(と思われる)投資家にとっては長期戦略は必ずしも正しいとは限りません。最適のポイントを見つけて投資行動をとればいいのですから。


ここで次のような疑問を持つ人もいるかもしれません。
「じゃあ、何で年金資金はアセットアロケーションを守るのか」


確かにアセットアロケーションを的確に捉えて投資すれば非常に大きな運用益を得ることが出来ます。しかし長期的な視点で運用する資金の場合、いくつかの留意点があります。
第一にアセットアロケーションを長期的なスパンで適切に当てつつけることは非常に難しいことです。だから分散投資を行ってどんな状況が生じてもそれなりのリターンがあげられるように資産を分散することが要請されるということです。
第二に長期的な運用を行うということはリスク許容度がそれだけ大きい、と推測される点です。とりあえず目先の1年で損失を出しても翌年に取り返せるのであれば、より思い切った投資行動が取れるでしょう。
第三にアセットアロケーションを大きく変更させるにはそれなりの取引コストがかかるという点です。特に巨大な年金資金を扱う機関投資家の場合、自らの運用行動自体がマイナスの効果を与える危険性さえ生じます。


以上のような要素を抱えているため、(特に巨額に資金を扱う)年金基金アセットアロケーションを守って運用しようとするのです。


(追記)
ううっ、肝心の「トラックバック送信」する作業を忘れていたりして(激汗)
しかも「お金についてかんがえたこと」さんの方から返信のトラックバックまでもらってしまっていたりして(更激汗)
ということでいまさらながら送っておきます(ぺこり)
#ごめんなさいです。。。