あえて書いてみる

最近読み続けている「週刊木村剛」であるが、今度は「IFA(Independent Financial Adviser)」について書いている

IFAとは「独立した」フィナンシャルアドバイザーのことである。特定の金融機関に属さず、あくまでも公正・中立の立場から個人投資家に対して運用をサポートする人たちのことである。



その言や、良し。その倫理観は全ての資産運用者に求められるものであろう。だがちょっと待って欲しい。



「それって儲かるんですか?」



俺たちばくちうちが住んでいるプロの資産運用市場においてすら、「独立した」フィナンシャルアドバイザーはごくわずかでしかないのだ。それどころか、最近はフランクラッセルといった大手運用コンサルタント会社ですら苦戦している。



IFAはこれまであまりなかった分野だけに一定の先駆者、才能のある人材はそれなりの成果を上げるだろう。でもそれは大多数から見れば「例外」なのではないだろうか。



今や日本の個人投資家市場は(特に富裕層に対しては)4大メガバンクのみならず世界中のプライベートバンクがしのぎを削る市場である。近年でもメリルリンチが大失敗した分野だ。そんな世界に個人事業者が「独立して」参入してどこまで成功を収められるのだろうか。



私が思うに「証券仲介業」はそれなりに伸びていくだろう。

他業種からの証券業への参入が楽になるからだ。

しかしIFAはそう簡単にはうまくいかないと思う。

繰り返しになるがプロの世界でさえ「独立した」コンサルティング業務をビジネスとして成立させるのは難しいのに、個人事業者が大手金融機関を向こうに回して闘っていくのは想像しにくいからだ。



木村氏がIFAの将来展望を明るく描いているのはなぜなのだろうか。



(追記)

個人投資家の裾野を広げるのであればむしろ「独立した」立場から彼らにアプローチする証券会社・運用会社を作り、育てた方が早いと思います。このパターンであれば日本でも松井証券さわかみ投信といった成功例は多く存在しますが、これは本来の意味でのIFAには当たりません。

またSRI(社会的貢献)という考え方がもっと一般的になれば、倫理的に公正・中立の立場であろうとするフィナンシャルアドバイザーを多く抱える金融機関がより評価されるようになるとは思いますが。。。

#今のSRIはまだまだ発展途上だから難しいかもしれないけど。



(追記2)

あえてIFAの可能性を考えるとすれば大手金融機関で多くの個人顧客を獲得したフィナンシャルアドバイザーの独立ぐらいか。でもそれでやっていけるのはやっぱりごく少数だろう。