取りあえず

あれから10日経ちました。
被災地の厳しい現状が明らかになってきてます。
そろそろ私も義援金の手続きをしようかな、と思います。




といいますか、マーケットに住んでますとこの1週間は状況が
目まぐるしく変わるので、とにかく付いていくので精一杯でした。
しかもそんな時に限ってエライさんは訳のわからない雑用とか
思いっきり高度なムチャぶりとかやってくるんだよなあ(泣)
#いやまあ、どこの会社でもエライさんの考えることは一緒ということで。



この1週間のマーケット

ま、ひとことでいえば「流動性がなくなった1週間」と言っていいでしょう。
さすがにリーマンショックの時よりはまだましかと思いますが。
インターバンクこそ日銀のオペで潤沢になってますが、オペ先から先に
染み渡っていくような感じではなかった。
特に外資系の一部には円資金を取りにくくなっていたところでもあったのかもしれない。
私自身は今回の円Liborの上昇を見て、そういう風に理解しました。
#私は短期金融市場の人間じゃないので「そんな風に見えました」ということで。




債券市場ではとにかくレポが動かなかったようで、Bid/Offerが離れるわ、
先物スワップが乖離するわ、SLがぼろぼろになるわ、とまあ何でもありでした。




でも全体的に見ればみんなおおむね想定以上に冷静に動いていたんじゃないですかね。
SLのドタバタもどっかの外人さんがアセットスワップでもアンワインドしたんでしょうし。




オペレーション的には、いくつかの証券会社のバックオフィスが
計画停電の関係で従業員を早く帰すことになって、コンファメーションの
送付が出来ないかも、と泣きを入れてきたところもありましたが、
少なくともうちの会社にはきちんと届いていたようなので、
これまたおおむね問題なくいったように思います。
まあ、みんな、不要なオペレーションはしないようにする雰囲気も
流れていましたしね。




ただ、クレジット物はぶっとびましたけど(激汗)
まさか東電があんなことになるとは震災前は誰にも分からなかった訳でして。
結果、マーケットが壊れてしまいました。
こちらもそのうち戻ってくるとは思うんですが、どのタイミングになるかは
よく分からないですね。




あ、そうそう、国内債券関連で苦言を呈しておきたいのはNOMURA-BPIの体たらく。
11日の指数はキャンセルだわ、15日の数字もうまく出てないわ。
まあ、あれだけの地震があったんだから仕方ない、といえなくはないんですけど、
東京が直接地震にあったわけではないんだし、日本市場を
リードするベンチマークとしてはきっちり出して欲しかったと思います。



夏が大変そうですね

てなわけで、あとはこの地震をマーケットにどう織り込んでいくかと
いうことですが、早くもいくつかの証券会社でGDPに与える影響予測が
出てますね。
今のところのコンセンサスは夏場には盛り返し、2011年度GDP
0.3%程度落ち込む、との見方のようです。
ただ、この試算には4月末までの停電は計算に入れていても、
夏場の停電は全く考慮してないようなんですよね。




でも、普通に考えたら、今の電力需要を支えるのが精一杯の状況では
夏場の電力需要を賄うのは到底不可能でしょう。
火力発電所の再起動等でなんとかなるといいのですが、
そう甘くはないだろうなあ、と考えてしまいます。




そうすると、電力供給量が生産制約の上限となってしまう可能性が出てきます。
こうなると「復興需要がどうのこうの」とか「国債発行がどうのこうの」以前の問題で、
東北・関東は電力供給次第となる感じがします。




いずれにせよ、今回の地震の被害は想定以上に大きく、回復には
長い時間がかかるのではないでしょうか。
#悲観的に考えたくはないんだけど、今のコンセンサスはさすがに楽観的すぎる気がするんだ。。。