FOMCについて
昨日、「FRBがどう格好を付けてみせるか、期待してみましょう(生暖かく)」と書いておいたFOMCですが、マーケット的には予想外の国債購入表明となりました。
#一応、こんなこと言ってたひともいましたが、マーケットの大勢は「今回は見送りだろう」でしたからねえ。
今回の国債買い切りを「量的緩和を進めてインフレ対策をやる」と捉えたひとは多かったみたいで、私がもらった各証券会社からのレポートもほとんどはそういった論調。かくいう私自身も「バーナンキもかつて自ら言っていたこと*1を節操なく前言を翻したか」と思ってしまいました。
んがしかし、うちに帰ってドラめもんさんのところ(3/19のところね)をみていたら
『Moreover, to help improve conditions in private credit markets, the Committee decided to purchase up to $300 billion of longer-term Treasury securities over the next six months.』
・・・あれ?
ちゃんと「民間クレジット市場のために」国債買うって書いてあるやん(汗)
#声明文全体の日本語訳はこちら
ほほう、実際ところはともかく、一応旗だけはきちんと揚げ続けたのね(ふんふん)
#なのにみんなしてそのことには触れないみたいなのね(笑)
実のところ、大事なのはここだと思う。バーナンキとしては一応建前は守ったのだ。
正直「国債買ってクレジットを救う」というのはかなり無理があると思うけどね(笑)
#うーん、結論もドラめもんさんところと同じだ(汗)
それじゃなんなので。
「さーて、来週のサザエさんはー」じゃないけど、今後の注目点をいくつか。
- 為替どうするんでしょ
とりあえずドル安でマーケットは反応しているけど。
いやまあ、FRBが何でも買ってくれるのなら、ドル安の方がインフレになりやすいのよね。
- インフレにならなかったらどうするんでしょ?
現段階で既にBOEの国債買い切りとの差を問われても苦しいと思いますが、それ以上に苦しいのが
信用危機がほぼ終結してもインフレにならなかったとき。
これまでのところで事実上手を打ち尽くしているんで、それ以上どうするのか、答えを出しにくいでしょう。
そりゃ、「そこでインフレターゲット」と答えたいところですが、BOEは国債買いきりに追い込まれてますし、
「物理的手段」を問われたときに苦しいのも事実。
- 財政との兼ね合いは?
AIGのボーナス問題のように「法的に正しいのかもしれないけど道義的にどうよ」という風潮に傾きやすい今日この頃。いわゆる「金融政策の財政政策化」、言い方を変えれば「中央銀行は議会の議決を経ずにどこまで買うことが出来るのか」ということは、そのうち問題になると思う。
それ以外にも、今後「2010年1月」問題はこれから注目されてくると思う。
米国民主党にとって、自分たちの支持者をFRB議長にするまたとない好機だからだ。
バーナンキはそれまでに金融危機と経済混乱に対してある程度の成果を上げておかないと「責任論」が噴出しかねない。
意外にも彼の足下は盤石じゃなく、残された時間もそう多くないのだ。