日銀決定会合プレビュー

とかいいつつ、週初の雪の影響なのか、風邪を引いてしまって、あんまり調子良くないのです(汗)
#みなさんもお気をつけ下さい。


そんなわけで、ここは要点だけを簡単に。



  • 「政府vs日銀」ではなく「官邸vs財務省」と考えるべき。

巷では「日銀の独立性が」云々言われてたりしているようですが、そんなもの、実質的には
とっくの昔になくなってしまってますってば(笑)


今の日銀は昔のように財務省の外局と考えた方がすっきりします。
だからこそ、財務省のお役人様は日銀総裁の椅子にこだわるのです。
そう考えてみますと、今回は「官邸vs財務省」という軸で読んでいく方が分かりやすいかと思います。



  • 政治家は名を取り、官僚は実を取る

そう考えていくと、落としどころも分かってきます。
とにもかくにも、政治家さんには名を与え、官僚は実を取っていくでしょう。
そう、「インフレ目標」だろうが「無制限の緩和」だろうが、法的拘束力の無い「共同文書」でよいのなら
そりゃもう、なんぼでも書かせていただきます。


でもね。


実際問題として、実務上「出来ないものは出来へんのや」ということで、実際に取られる緩和手段は
限られたものとなるでしょう。



  • 緩和手段は国債買入増が中心

当たり前のお話ですが、実務上の問題として、日銀のB/Sを十兆円規模で増大させようとしたら
買える資産は国債しか無いと思われます。よって緩和手段は基本的には現状の緩和路線の拡大となるでしょう。


問題は買入期限や年限の延長はあるかどうかですが、多分あるとすれば年限の延長(ないし撤廃)の方では
なかろうか、と考えます。
買入期限を延長した方が、これまでの日銀の説明に沿うのでやりやすいのですが
買入期限の延長はそのまま「インフレ目標の達成期限の延長」と思われやすそうなので
避けるのではないかと思います。
むしろ「無制限の緩和」とかいいながら年限を撤廃して、実質的な輪番オペ増額に持っていった方が
楽なような気がします。



  • 外債購入なんてあるわけない

リスク性資産の購入は多分少額の増額があるでしょう。
とはいえ、ETFにしてもリートにしても市場規模は限られていますので、
基金の買入額を増やすのは難しいところです。


しかし、外債の購入はないでしょう。為替政策は財務省の管轄として、譲ってもらえないと思います。



これは論外。そもそも日銀には引き受けを自ら言い出す「権限」がない。
財務省としても市場で買い取れる国債をわざわざ「引き受けさせる」なんてことをする必要も無いし
今や官邸ですら求めていない(汗)



  • 付利引き下げ、あるかもね。

素直に考えてみると「あるわけない」。そんなことしたらFRBBOEに飛び火する。
ここは中銀間で国際的な合意が出来ている、と考えた方が良い。


普通はそこで切り捨てておしまいです。
ただ、それならどうしてあの日、オペレートが強くなったのか、そして今のイールドカーブが出来ているのか、
説明できないのですよ。
もしかしたら0.05%とか0.02%とかにする、という話は出てくるかもしれません。
#いっそのことゼロにしてしまう可能性もないとは言えない。。。




以上、取り急ぎ書いてみました。
市場の反応としてはスタート時はともかく、そのうち「今までと変わらない」とか言われちゃうと思います。
その意味では昨年のバレンタインデー緩和に近いイメージでしょうかね。
ただ、実際問題として、やれることなんて、もうほとんどないので、単に見せ方を変えるぐらいしか
残ってないのも事実なんですよ。




それに、官邸側も以前のように尖った言い回しはしてこなくなりましたし、
裏ではもうある程度折り合いはついていると思います。
#じゃなかったら「消費税増税を前提とした税制改正」の話が出てくるはずがない。


安倍政権が樹立してもう半月、解散から考えたらもう2ヶ月、そりゃそろそろ落としどころを見つけますわな。




正直、サプライズがあっても不思議ではないですが、多分大方の想定するような線で収まると思います。