地震後の円債マーケット

ということで特定されない範囲で書いてみる。
ま、備忘録というヤツですな。




今回の地震は、東京直下ではなかった。
そのため日銀ネットも東証も問題なく動いたし、主要な市場参加者にも
大きな問題は発生していなかったようだ。
#きちんとイブニングまで動いていた。


しかし、地震が起こったのが14時46分頃と、東京市場大引け
迎えようとする時間帯であったことから一部では混乱しそうになった。




まあ、地震直後は一時BBが止まったり、先物の板が飛んで1円以上
値が上がったりしたのはやむを得ないところ。
ただ、その混乱覚めやらぬ間に大引けとなってしまった。
そのためBBの引け値が出るかどうか、分からなくなったのだ。




BBの引け値は日本の国債市場の基本となるものだし
そして何よりも今では投資家サイドはこのBB引け値からのスライド取引を
証券会社と行っていることも多い。
BB引け値が出ないと、約定単価が確定しないので、色々と問題なのだ。




実際問題、うちの社内でも「引け値は出るのか」とか
「変な引け値になったときはどうするのか」とか議論になったが
結局のところは変な値付けがなされることなく、しかもきちんと
午後4時頃に引け値が公表された。
BBはじめ証券各社の担当者の尽力に寄るものである。
このことはきちんと評価されるべきである。




あと、バイサイドとして問題になったのは「証券会社からの
コンファメーション(約定連絡書)が届くのか」ということ。
うちンちをはじめ、投資家サイドは大抵資産管理銀行に
運用指図をする必要があるのだが、その際にはトレーダーの
約定結果報告と証券会社のコンファメーションを突合させて
約定がきちんとなされていることを確認した上で
運用指図を行うレギュレーションにしている場合がほとんどである。




しかし、地震が起きたため、一時は屋外に避難を指示する会社も
あったようで、実際一部証券会社は避難を余儀なくされた模様。
そのため業務が止まってしまい、約定当日中にコンファメーションを
送付できない証券会社が一部出たようです。




まあ、大体16時過ぎには大抵の証券会社は避難先から戻って
きたようですし、コンファメーションがFAXやメールで届かない場合でも
フロント同士はきちんとボイス等で確認していますので
月曜に処理すりゃ決済の問題は起こりませんがね。




もっとも、フロントの最前線は決済確認やコンファメーション送付予定などを
確認するのに追われててんてこ舞いになってしまいましたが、
あれだけの大地震にも関わらず、全体としても滞り無く
マーケットが動いていった、というのは
もっと胸張っていいんじゃないでしょうかね。




以上、東京に大きな被害が出ていなかったため、何とかスムーズに流れた
東京の円債マーケットのおはなしでした。