FRBの預金オペに関するメモ

昨年暮れからTwitter(id:akun_otabaku)を始めているのですが、気軽に書ける分、
ついついアイデアを書き散らかして終わりになってしまっていたりする(汗)


ということで、この暮れに出たFRBの預金ファシリティに関する考察をTwitterでつぶやいていたので
ここにまとめてみる。あっちを見てもらってる方には読み飛ばして下さい(平伏)
#というかネタをTwitterに流しすぎたので再利用してみたというのはないしょだったりする。



  • 単に「準備預金」から「預金」への振り替えだよね

つまりFRBのバランスシートの大きさはオペの前後で変化しないということだ。
これって何げに面白い現象なんだよね。


FRBの預金オペに応札すると商業銀行の準備預金が減少し、その分預金が増加する。
これって、商業銀行と民間企業の取引で考えたら、当座預金を引き出して定期預金を作ってもらったようなものである。
このとき「ベースマネー」ってどう考えればいいのよ?
すぐに出入りできる当座預金は「ベースマネー」だけど定期預金にしたら「ベースマネー」じゃない?
さらにいうとこの「預金ファシリティ」を担保にお金を借りることもできるんだよね。
このとき借り出されたお金は「ベースマネー」?




まあ、FRBにとってネットベースの借入金、すなわち準備預金と担保設定していない預金ファシリティの合計を考えればいいでしょうかね。



  • 結局、これって準備率操作だよね

準備預金と預金ファシリティとの間には、預入期間の差があるだけで、結局のところ広い意味では「預金」なわけです。
でも期間中に積み上げないといけないのは「準備預金」。そう考えてみると預金ファシリティというのは、形を変えた準備率操作と
考えることができるでしょう。だから「吸収」手段なのです。



  • ただね。。。

ちょっと気になるのは準備預金に対して、民間銀行でいうところの「コア預金」の概念を取り入れたらどうなるかということ。
2009年、FRBはバランスシートを拡大させ、準備預金を増大させました。
しかしその大半は「底だまり」としてFRBの胎内に残ってしまっています。
この「底だまり」部分を「コア預金」と考えればどうでしょう。
今回の「預金ファシリティ」同様の状況が起こっているとも考えて良さそうです。
つまり大量の準備預金を発生させても、そのことが常態化したことが認識されると、事実上引き締め的な効果が出てくるかもしれません。




他にも、「バランスシートの総合計は変わらないのに『引き締め』なの?」とかいろいろと考えさせられる論点があるようです。
金融政策手段をきちんと理解していないと、引っかかるポイントが多いので、頭の体操にはなりそうです。