セカンドウインドは吹くのか

まあ、それだけだとなんなので、民主党政権の目指す方向性と日本経済についてひとこと。




個人的に、鳩山政権(予定)の目指す方向というのは、何げにかつての小泉さんのやり方に似てる気がするのは俺だけではないと思います。
国家戦略局経済財政諮問会議なんて、非常に似た考え方の組織なんだし。


そりゃまあ、ある意味当然で、公共投資大振る舞いをした政権のあとには大抵無駄遣いをただし、官僚組織を締め上げようとする方向に行くものでして、
そのことはこの10年の動きを見てもその通りだと思うのですよ。




むしろ気になるのが日本経済のこと。
小泉政権が成立したのが2001年。この後景気が徐々に回復していくのですが、私にいわせれば、そして乱暴な議論を許していただけるなら、
別に小泉政権の経済政策が功を奏した訳ではなかった、と思います。少なくとも2002年以降、個人消費が伸びてきたのは、彼らの改革の成果というだけではなく、
もっと大きな要因として、「団塊の世代の引退」があったのでないか、と今になって思います。




それまで団塊の世代は比較的高給で働いていましたが、2000年代前半以降、徐々に引退していきました。
そりゃまあ、60歳前後から先はみんな徐々に引退して悠々自適の生活に入りたい、と思うものです。
実際には60歳定年の会社より先に55歳定年制の会社の方が結構多いというのもあるのですが。
#大リストラ時代でしたから早期退職した方も多かったでしょう。




でも彼らは別に放り出された訳ではなかった。大抵、退職金とかそれまで蓄えた貯金を有していた。
そんな方々がリタイヤしたらどうします。うちんちの親でもそうでしたけど、「まずは温泉でも行こうかねえ」とか「ちょっと贅沢して外食してみようかねえ」とか
「日帰りでちょっと遊びにいこうかねえ」とか、在職中にはできなかったいろんなことを一通りやってみたくなるものです。




ま、そのこと自体は別にかまわないのです。というか、70歳超えて「あそこに遊びにいきたい」とか「温泉巡りしてきたい」とか言われても
息子としては何かと心配な訳でして、むしろ60代、それも退職直後の元気なうちに行って下さるのが安心というものです。




でもそれが「団塊の世代」のみなさんが一斉に始めたら、そりゃ一大ブームになってしまいます。
実際には「一大ブーム」というほどではありませんでしたが、それまでの時間帯に比べて、明らかに個人消費は増加していたように感じました。
これも「ライフサイクル仮説」に合わせて考えてみれば、至極当然だった訳です。




さて、このように小泉政権下では団塊世代の引退時期と重なったこともあり、景気は回復していきました。
これは財政規模を相対的に縮小させるチャンスであり、プライマリーバランスも黒字方向に向けて順調に進むことができました。
そんな努力も金融危機で帳消しになっちゃいましたけど。。。




さて、今度の鳩山政権では何が起こるでしょう。
既に団塊の世代の大半は引退済みです。むしろ彼らは引退直後のお祭りを過ごし、年金受け取りを前にして、堅実な生活に戻ろうとしています。
かといってその後の世代がリタイヤしても相対的に少ないんですよね(汗)




日本経済はいわゆる「セカンドウインド」が終わった局面にあると言ってよいと思います。
今後は長いリタイヤ生活を送るために堅実な生活を送ろうとしているのでしょう。
そんななかでどうやって経済を立て直していくのか、かなり厳しい道のりが続きそうな気がするのは私だけでしょうか。
#この辺り、具体的な統計を使ったりしてもっと体系立てて論じている人もいそうだけど、俺はめんどくさがりなのでアイデアの提供だけということで(汗)