年金問題とか投資スパンとかを考える

本石町日記さんのところで年金問題とか債券運用の投資スパンの話をしていたので、ここに書いておこうかと。
ちょっと長くなりそうなのでね。




あっちではおおむねエントリの趣旨に賛成の人が多いみたいで、私も一理あるとは思うのですが、個人的にはそこからひねくれて考えてみたいのが、「おたくなばくちうちの日記」たる所以でありまして。



  • 年金の世代間格差について

ま、団塊の世代を親にもつ私としては、既にあきらめ気分いっぱいだったりしています。
というのも親の世代が生きている限り、生活費は当然必要な訳でして、彼らの年金を削るということは、当然子供の世代が個人的に支払いをせざるを得ないという訳です。
ま、国家財政的には大きな意味はあるんですけど、個人的にはどこから請求書が回ってくるかの違いしかないような気がします。
#それほど彼らの世代と子供の世代との人口格差、経済成長格差は大きいものがあります。


ということで、個人的には世代内格差の方が気になりますね。特に配偶者控除関係とか。
少なくとも他人の嫁さんの分まで俺が支えなくちゃいかん、という議論はよく分からん。



  • 債券運用者の投資スパンについて

おっしゃる通り、10年後のことを考えて投資することはないですね。投資スパンをどの程度におくかは、それぞれのおかれている立場(主にスポンサーとの関係)で決まってきますが、せいぜい数週間から数ヶ月程度でしょう。


ちょっと脱線して「スポンサーとの関係」についてまとめておくと、たいていスポンサーからは「どういう風に運用してほしい」とオーダーがあるものです。このスポンサーを経営陣や上司と置き換えてみれば、銀行のような自己ポジションでも同じようなことがいえるでしょう。


まあ、10年前の時点で今のような経済情勢を当てることが出来るひとがいるとも思えませんし、それはそれでいいんじゃないでしょうか。投資理論的な立場からお話ししても、ここ十数年の投資理論では、長期的なスパンでアセットアロケーションをコントロールする一方、各資産の運用者はその場その場の資産最大化を図る、というのがセオリーになっていますので、それでいいような気がします。
もっとも、それに対するアンチテーゼがヘッジファンドなんですけどね。
#「銀行ポートは一種のヘッジファンドじゃねえか」というつっこみはまた別の話ということで。




といいますか、ぶっちゃけ話をしますとね、10年間、ずっとうちんちに預けてくれる契約をしてくれるなら、10年間を見通した運用を志向しますけどね。でもそんな長い期間を保証してくださる豪気なスポンサー様はおられないんですよ(泣)



  • 四半期決算と金利動向

「四半期決算を止めて、金利商品の会計を緩くすれば、金利の動きはもっと穏やかになるように思う。」ということですが、個人的には、逆に四半期決算になったから金利動向は穏やかになってきたように感じますがいかがでしょう。
というのも、ばくちうち的な感覚からすると、投資スパンが長いほど、大きなポジション量は取りやすくなるんですよ。だって負けても取り返す時間があるから。でも投資スパンが短くなると、大きなポジションを開けて逆に行った際、その負けを取り返すことが出来なくなってしまいます。




ということで、つれづれなるままに書き連ねてみました。
あえてひねくれて書いているので、実は私の本音とは多少違うものも含まれているところもあるのですが、議論というのはアンチテーゼと比較しながら進めてみてもいいんじゃないかということで。