「バブルと金融政策の再考」から考えてみる

本石町日記さんところから。
さすがに白川さんの講演録は教科書になっていてなかなか良いと思います。


それはともかく、本題の「バブルは予防出来るか」というのは、正直言って難しいと思います。
この10年の間にもITバブルはいうまでもなく、米国を中心とした住宅バブルの生成から崩壊過程は80年代の日本を彷彿とさせるような出来事でしたし、昨年の原油高騰をバブルという人もいるでしょうし、2003年のVaRショックだって、バブルと考えるなら、固定利付債の世界でもバブルは発生してしまうからです。




ただ、それでもいろんな資産の価格を調査して、それがバブルであるかどうか、判断することはある程度可能かもしれません。そうしてその中でも大きく膨れあがった部分にメスを入れることが出来るなら、バブルを退治することは可能になるのでしょう。




でも、最近個人的に思うことは「そもそも金融政策ってうまく効く薬なの?」ってこと。
お金に色はついていないから、金融緩和したお金がどこに流れていくのか、我々は常に制御できるのだろうか、という疑問なのです。
例えばある国が金融緩和しても、生産性の高い隣国への設備投資に使われ、自国内の設備投資には使われない可能性はないとはいえない。もちろん、教科書ではその辺りは「為替で調整されます」とするんだろうけど、実際の経済において為替の調整能力がそんなに強いとは考えにくいしね。
#常に均衡に向かって動いているとは思うんだけど、為替が経済不均衡を調整するスピードはかなり遅いような気がします。




体に例えれば、二の腕辺りが急に膨らんでおできが出来てしまったような、そんな感じ。
それって、体全体を冷やしたらおでき部分の炎症は止まるだろうけど、体全体のダメージも大きそうだねえ、とか
逆におできだけを冷やすような特効薬って難しいよねえ、ってこと。