いろいろ言われておりますが

クルーグマンが心変わりした、とか何とか。
個人的には、彼がどう思おうと別にどうでもいいんだけど、彼の最近の言動って、10年ほど前、98年の日本人の心境をトレースしているようにみえて懐かしかったり。


ただ、「ゼロ金利下においてはマネーサプライを増大させても金融緩和効果は得られない」という結論は、1月のイエレンやバーナンキBOEのキング総裁もこの中にまとめてしまっていいだろう)の発言に通じるところがあって興味深いところ。


とはいえ、先に指摘しておいたように、FRBの見解は日銀の見解でもあり、その意味でも日銀内部の意見が世界で認められてきたということだとしたら、それまた興味深いところ。


そういう意味でも外したらいけないと思うのが今回のBOEコメント
「従って委員会は、金融政策スタンスの一段の緩和が正当化されると結論付けた。しかし、非常に低水準の政策金利が一部金融市場の作用や銀行システムの貸出能力にマイナスの効果を及ぼす可能性も指摘した。」
これって、昨年11月の白川総裁の発言内容とは多少違うけど、「市場機能論」によってゼロ金利を否定している、と捉えられるんだよね。


今回の世界的な金融緩和局面でゼロ金利を(一旦)否定したのは日米英の3行。
#正面から否定している訳ではないようなので一応「一旦」とつけてみた。
ここにきて主要な中央銀行は理論面でも連携を深めていると思わざるを得ず、その際に下敷きになっているのは日銀の見解であるということだ。
意外にも今のG7をリードしているのは白川総裁なのかもしれない。