ヘッドラインリスクの使い方(違)

本石町日記さんのところでヘッドラインリスクの特集をされておられるので
いわゆるばくち打ちな人間の見方からこの問題にコメントしてみる。


基本的に普通の市場参加者はヘッドラインを作ることは出来ません(一応お約束)
#こっちから持ち込んで「書かせる」記事も世の中には存在していたりするのだが、それはまた別のおはなしということで。


大抵の場合、ヘッドラインが情報ベンダーから流れてきます。
この時間的ラグは統計やTV中継している国会での発言とかだったら数秒、記者会見でも数十分で届きます。
ま、こっちはそれだけのお金を払って情報を買っているので早いのは当然のことだが、最近のネットの発達により
プロとアマの差は以前より格段に縮まっていたりします。


で、俺たちばくち打ちは流れてくるヘッドラインに対して瞬時に反応することを求められています。
多くの反応は次の3つ、「買う」「売る」「何もしない」に分類されます。
#投資対象が複数あれば当然反応は複雑になりますが、基本的には上記の組み合わせで説明出来ると思います。


でも「瞬時に反応」って、簡単に出来るようになるかというとそんな訳はありません。
普通は事前に準備をしておいて、思った通りの答えが出てくれば、準備しておいた取引を実行に移すのです。
例えば「鉱工業生産が前月比プラスだったら債券を売るけど前月比マイナスだったら債券を買う」というように
あらかじめ予測しておくことが大事なんですよね。




でも一番大事なことは「俺たちはケインズ美人投票の世界に生きている」という事実です。
どういうことかというとヘッドラインを目にしたとき「周りのみんなはどう反応するだろう」ということを
予測して意思決定を行う、ということです。
だから結果的にヘッドラインに対して過剰に反応することも、また無反応なこともあります。それどころか逆の反応を示すこともあります。




本石町日記さんがここで例に挙げておられるような会見をモチーフにすると
俺たちばくち打ちは

1.実際にはどんな発言をするのか、その結果どんなヘッドラインとなるのかを事前に予想。
2.同時にヘッドラインに対する周りの参加者の反応を予想。
3.実際のヘッドラインを見て予想を修正。
4.市場の反応を見ながら意思決定および取引実行。

って流れをたどります。
なお、当然のことながら3.の時点において実際のヘッドラインを見たときには「実際はなんと発言したのか」複数のソースに当たって裏をとったり推測したり、ということはきちんとやっていきます。




要するに、接した情報からどこまで先読みをしてくのか、その結果どこまで市場動向を当てられるのか、というゲームを
俺たちは日々やっているんですね。
何だか「ヘッドラインリスクの使い方」講座みたいになってしまいましたが、俺たちばくち打ちの思考法の一端を
ご紹介出来たとすれば幸いです。




(追記)
さすがに決定会合の結果が出てくる日に具体的な案件で説明するのは気が引けたので、
その分どうしても抽象論になってしまった点はご容赦下さい。