低価格路線のビジネスモデル

最近IBookG4のキーボードを壊してしまったらしいライダーさんなえらいひとのところより低価格路線のビジネスモデルのおはなし。


俺も難しいなぁ、と思います。
が、その訳は別の意味がありまして。
単に「市場規模から考えて低価格路線じゃペイしないんじゃ」ってことなんですが。


例えば5800円のゲームを企画したとしましょう。


個人的に流通のマージンは詳しくないのですが、普段定価8800円のゲームが6000円程度で売られていることから考えて少なくとも卸値は定価の3分の2以下であると思われます。6000÷8800=0.682だし。もっとも実際にはこれよりも低くないと小売りや卸の利益が出ないから物事を単純に考えるためメーカーは定価の半値で卸に売ると考えてみましょう。
そうするとメーカーは一本あたり2900円の売り上げが得られます。1万本売れたら2900万円の売り上げです。
でもCDやパッケージの物理的な制作費を考えないといけないし、事務所の家賃や経理の費用、当然制作に使用するPCの減価償却費も考えないといけません。その他販売促進費等、いろいろ経費が掛かることでしょうから、メーカーの売り上げの半分はここら辺で持って行かれてしまうと仮定します。
#もっとも上記経費の大半は固定費なので売上本数が増加すれば楽になるんですけどね。


そうすると1万本売り上げたメーカーが手に出来るお金は4分の1の1450万円になってしまいます。で、ここから制作陣の人件費が出るわけです(汗)
開発時間を3ヶ月、これを4回繰り返すとします。すると人件費に充てられるお金は5800万円。年収500万円のスタッフが11人雇える計算です。
#実際には年金負担とかいろいろあるので上記より雇えるスタッフの数は減るんですけどね。会社の利益も考えてあげないといかんし。


結局、1万本をコンスタントに売り上げることが出来る企画を3ヶ月ごとに実現したとしても、スタッフは10人も雇えないことになります。結構これって厳しい数字よね(汗)
5800円という価格設定でこれですから、低価格路線を実現するためには、市場規模を大きく拡大させるか、開発経費(=人件費)を削るか、流通マージンをカットするか、ぐらいしか手は残っていないのです。


とすると一番うまくいきそうなのは、各メーカーの廉価版を統一したパッケージングで出す、という辺りかなぁ。。。
PS2でやってる「The Best」みたいな売り方ね。
あとはそれこそ同人ゲームを買ってきてリパッケージするとか(ぉひ
#・・・って、既に似たようなことはやっていると思われ(うーむ)


個人的には変に凝ったシナリオなし、それなりの絵と極めたシチュエーションだけで勝負する「はじるす」みたいな作品がどんどん出てきて初めて広がる世界のような気がします。


(追記)
そもそも今年一番のヒット作でも10万本程度しか売れない市場では難しいような気がするのです>低価格路線


(追記そのに)
よく考えたらアリスソフトが低価格路線のソフトを年1回出していて(「妻みぐい」など)成功していますね(汗)
逆に考えてみればアリス程度の企画力と財務内容が伴う会社が足並みをそろえて頑張れば低価格路線が開かれるのかも。