Winny控訴審

各方面より。
個人的には「あれで幇助罪はないやろう」と思っていたので、今回の判決には納得。
というか、作者が幇助罪というのなら、当時特集を組んでいたいろんな雑誌の編集者はみんな捕まらなくてはならない、と思う。


Winnyの仕様に問題がないとはいわないし、Winnyネットワークに流通するデータの多くに著作権侵害の疑いが
あることも知っているが、それでもなお「技術的には中立」だと思うし、ネットワーク上で行われている著作権侵害
実行犯を罰するべきだと思うのだ。



俺的な出口政策論(仮)

ということで、リンクのお礼代わりに「わたしのでぐちせいさくろん」でも書いておこうかと。




本石町日記さんとは違い、私は「米国は『失われた10年』を経験する」と思っている。
#もしかしたら5年なのかもしれないけど。


というのもあれだけB/Sが痛めつけられると、なかなか元に戻らないと思うからだ。
2000年代前半、景気回復が進みながら、何故か数四半期ごとに消費が失速してしまっていた日本の場合と同様、
米国も回復感に乏しい状況が続くと思っている。




でも米国の穴は欧州や中国やインドやその他多くの国の成長で埋まっていくことだろう。
だって世界第2位の日本が失速した10年前、世界経済はどうだった? 他の国が出てきて埋まっていったでしょ。




じゃあ、どうやって出口に至るのか。


まず「何から」の出口であるか、定義する必要がある。
そう「金融危機対策」からの脱出なのか、それとも「低金利政策」からの脱出なのか。
前者なら話は早い。金融機関の経営が安定していることを一定期間確認できれば、中央銀行は「金融危機対策」からの脱出を検討することとなろう。
FRB国債購入や日銀のCP・社債オペの停止は、彼らの定義に従えば、あくまで「金融危機対策」「市場安定化策」なので、
市場が安定すれば、さくっと外そうとするだろう。それこそ景気情勢とはあまり関係がない。
彼らに取っては「使わなくなった道具を片付ける」だけだからである。
そう考えてみると「デフレ懸念」を示唆しながら国債やCP・社債の購入を停止させようとする中央銀行の姿勢は理解しやすい。
#納得できるかどうかは別。私は「単に彼らのDNAの動きは分かりやすい」といっている。




しかし「低金利政策」からの脱出はもう少しややこしくなる。
十分条件としてはもちろん景気回復である。その際、かつての日本と同様、「デフレ下での回復」となるであろう。
そうして初めて中央銀行は「低金利政策」からの脱出を考えだすだろう。




必要条件としては「物価の上昇」だと思っている。
やはりデフレ環境が解消に向かう動きが具体的にみえないと「出口」へ向かうことは難しいと思う。
その意味でCPIの動向は大切な要素だ。




ただし、先進各国において金融緩和政策のみでデフレが解消されるとは思っていない。
というのも、先進各国の金融市場と財市場は既に統合されていて、ある国単独の金融政策ではどうしようもないと思うからだ。
そのことは2000年代後半、米国の緩慢な利上げ(=本来よりも緩和的な政策)が必ずしもCPIの上昇につながっていないことを説明してくれると思う。


通貨が調整してくれる? うーん、それは半分ほんとだが、半分は違う。
G7などで各国の合意(少なくとも暗黙の了解)がないと為替なんか調整させてくれないだろう。
逆に言えば、合意を得て、為替を調整すれば、勝手に物価も上がってくれると思う。
かつて日本が円売り介入したときのように。




結局のところ、ある程度景気回復を果たしたところで、各国の了解を得て為替調整してもらって、当該国の通貨を安く誘導することが
出口政策には必要なのではないか、と思う今日この頃です。
#その他、FRBなんかはリバースオペどうするの、とかテクニカル的な問題はおいといて。